- 李白 蔵元日記 - これが袋吊り! 忍者ブログ
島根県の地酒、李白酒造の蔵元による日記    李白のあれこれや、日本酒のあれこれを紹介します                                                                                                                                                                                                                                                                           
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以前、袋吊りのレポートをしようとして、失敗しました。

前回の記事 http://rihakusyuzoh.blog.shinobi.jp/Entry/74/

とうとう、2度目のチャンスが昨日、訪れたのです!

さて、前書きは・・・ 前回の記事の前書きをよんでもらうとして・・・

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早速スタートです

竹を渡した 壺代(つぼだい)の周りにスタンバイ。

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 なんかとっても楽しそう
            ちょっとジェラシー・・・




まずは、長方形の袋に もろみを入れます。

ポンプを使ってホースで入れる 

もしくは 手で入れます 

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2222cdb7jpeg
もろみを入れた二つの袋の口を一緒に縛ります。

そして、 壺代に橋渡しされた 竹に左右に分けてぶらさげておきます。

この つるし方は李白流。
決まってこういう つるし方をしているわけではなく、
それぞれ蔵によって つるし方は 様々なんです。


eb22444ejpegどんどん作って、どんどん吊るします。

はじめに 吊るした袋と 後に吊るした袋 には、
吊るされる時間に差が出ます。

その差がなるべく出ないように 手早く、
次から次へと 吊るしていきます。



3cc295bbjpeg
すると、袋の目を通って、液体は袋の外に出てきます。
もろみとは うって変わって 透き通っていて きれい

d9292160jpeg
そうして
 タンクに少しずつ溜まっていきます。
(クリックで拡大するとよく見えます)

これぞ
入魂の一滴


こうしてお酒を搾っていくわけですが、
みなこの作業には そうとう神経を使うわけです。
実際 一枚目の写真は 和気藹々 といった感じですが、 作業がはじまると、
空気がピンと 張り詰めたようになります。

写真 写してる方は 邪魔にならないように 必死

そして、袋にもろみを入れて吊るす作業の他にも 重要な係りがあるのです。
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ポンプのスイッチ係 と もろみの入ったタンクをかき混ぜる係。

簡単そうで、これもかなり重要な係なんですよ。

ポンプで送るもろみの量に対して袋は小さめ。
ちょっと離れた所で 袋に入れている人の合図を聞いて スイッチを押すのですが、

ポンプの ガッチャンガッチャン いう音で、合図の人の声がかき消されてしまうんです。
耳をよく澄ませ、合図に俊敏に反応しなくてはいけません。

写真のO氏、のん気な顔してますけど、プロですから


そして奥で 一心不乱にタンクをかき混ぜているのが T氏。
もろみは米などの重いものは下に沈殿するので、 それを均等にするために 搾りが 行われている間中ずーーーっと かき混ぜています。
きついんですよ~ 


というわけで、 こうして 入魂の一滴が 搾られるわけです





李白ってどんな酒? → http://www.rihaku.co.jp/
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酸化
袋釣りは機械搾りより空気に触れる機会が多くなりますが、酸化による香りの変質はどのようなものですか。
2008/03/12(Wed)08:19:03 編集
>祥さま
鋭いご質問です。
酸化の可能性はあると思います。
袋吊のむずかしい点ではあります。
ですが、袋で搾ることにより、一番取り、二番取りなど細かく区切ることができます。
また、袋吊であれば搾る際、酒自体が触れる道具は袋とタンクのみなのです。
実際機械で搾るよりも、味、香りのバランスも圧倒的に良いものができます。
ですので、全国の多くの金賞受賞酒も袋吊でしぼられています。
酸化による劣化も否定できませんが、そのデメリット以上のメリットが袋吊りにはあるのです。
李白 五代目 2008/03/13(Thu)16:18:27 編集
無題
酒搾りの要点は、責め槽はともかく揚げ槽部分の酒は残存酵素による成分の変化や、酵母の醗酵による変化を起こす間を与えることなく、低温で一気にすばやく揚げることが肝要と習いましたが・・。
機械搾りは、そのあたりのメリットが勝ると思います。
搾り始めのモロミ温度と搾り終えた酒の温度の差を少なくして揚げ酒を低温に抑えるためには、冷蔵庫内での袋釣りが必要だと思います。
酒自体が清潔に管理された道具類に触れることは欠点とは思えません。

2008/03/17(Mon)14:52:10 編集
>祥さま その2
時間のことですが、実際に袋吊で目標量を搾るのに約2時間弱かかります。
機械搾りでは少量を搾ることができませんのでどうしてもそれ以上の時間がかかってしまいます。
また温度も、品温とその日の気温により、冷蔵庫内で搾ることも当然あります。
機械類のことですが、もちろん清潔に管理しておりますし、その点で自信はありますが、
危険な可能性が少しでもあるものはなるべくなくした方が良いと考えております。
もちろん機械搾りにもメリットはたくさんあります。
弊社では酒質、用途等に応じて使い分けています。
李白 五代目 2008/03/17(Mon)16:02:41 編集
すごい!
袋吊は手早くやると2時間位でできるんですね!
手間隙かけて搾り、あの斗瓶とかいう瓶に細かく区分けしてしっかり管理するからあんなに美味しいんですね。
美味しいお酒を造ろうという気持ちが嬉しいですし、飲む我々もその「入魂の一滴」を受け止めながら味わいたいです。
2008/03/17(Mon)17:27:07 編集
>ぶ さま
コメントありがとうございます。
そうなのです。
手間隙かけて、まごころ込めて造っております。
おそらくそれはどこの蔵でもそうでしょう。
李白よりももっともっと西の某お蔵さん(大人の事情により名前は伏せますが・笑)のブログにもこのまえupされてました。
すごく写真がきれいなブログなのですが、その写真からも、内容からも、試行錯誤やこだわりや、すごく大切に造ってらっしゃることが伝わります。
我々も負けないよう、みなさんの期待にこたえられる酒を一生懸命造り続けます!!
李白 五代目 2008/03/18(Tue)10:26:14 編集
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りはく
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非公開
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造り酒屋
自己紹介:
島根県松江市で125年間日本酒を造っております。
銘柄は「李白」。
このブログでは「李白」で起こったあれやこれや、いろいろ紹介していきます。

島根県松江市石橋町335
(0852-26-5555)
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